親不知(おやしらず)が生えてきたら歯科医院で診断を受けましょう
親知らずとは、大臼歯(大人の奥歯)の中で最も後ろに位置する歯であり、第三大臼歯が正式な名称で、智歯(ちし)とも呼ばれています。
18~20歳ごろに上下の奥歯の後ろに生えてきますが、何歳になっても生えない、1本だけ生えるなど、個人差があります。
歯並びや噛み合わせに影響がなければ抜く必要はありませんが、この時期に歯科医院で診断を受けることをお奨め致します。
親知らずの生えてくる場所が不足している、あるいは萌出方向(ほしゅつほうこう:生える方向)が通常と異なるために、埋伏(埋まった状態)や傾いてきちんと生えてこないことがしばしばみられます。
親不知は歯肉に部分的に埋伏していたりすることで不潔になりやすく、歯肉炎を起こします。これを智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼び、20歳前後の人に発生する頻度の高い疾患です。
智歯周囲炎の治療
歯茎のまわりを洗浄し清潔にします。
抗菌薬を投与し、腫れ、痛みに対して抗炎症薬を投与します。
膿がたまれば切開し取り除きます。
炎症をくり返しているような場合は抜歯することが適当と考えられます。
親不知の抜歯は正常に生えている場合には、普通の歯を抜くのと同様に比較的簡単に行えます。
しかし、大部分が骨の中に埋まっていたり、歯の根っこの形が複雑だったりすると、歯肉を切開したり、骨や歯を削ったりするため抜歯は注意と手間が必要となります。
なお、親不知の状態や患者さんに持病があったりする場合、入院や全身麻酔下での管理が必要となる場合もあります。
親不知は、生えてきたら早めに歯医者さんでの診断を受ける事をお奨め致します。