小児矯正

当院ではお子様の発育や歯並びに合わせて2種類の矯正装置(床矯正・ビムラー矯正)を使って、歯並びの改善及び、顎の発育を促しています。
きちんと診断の上でより良い選択肢をご提案させていただきます。

当院で扱っている矯正装置の特徴

歯を抜かないで顎を拡げて歯を並べるやさしくて画期的な治療です。

「曲がって永久歯が生えてきた!」
「アゴが小さくて歯が入りそうにない」
「受け口で前歯が逆になっている!」

たいてい一番最初に歯並びの異常に気付くのはお母さまです。そして近くの歯医者さんで相談したら、「まだ乳歯ですからもう少し様子を見ましょう」と言われた経験はありませんか?

そして小学校5~6年生になってまた相談すると、もう永久歯にになっているので(歯を抜いて矯正しなくてはいけない)費用は〇〇万円くらいかかります。という結果になります。そしてあまりにも高額なため、矯正をしたくても諦めてしまう親御さんがたくさんいます。
どうして歯医者さんは虫歯の予防はできても、歯並びが悪くなるのを予防してくれないんでしょうか!

せっかく虫歯が予防できたのに、歯を抜いて矯正するということはとても悲しいことに思われてなりません。お母さまが「おかしい?」と思った時が治療開始のタイミングです。実際、当医院では永久歯の生えそろった7才くらいから治療開始するお子さまが一番多いです。早ければ早いほど費用も治療期間も少なくて済みます。

なぜ歯並びがわるくなったのでしょう

なぜ歯並びがわるくなったのか

なぜ歯並びが悪くなったのでしょう。ガタガタの歯並びの原因の多くは歯の生える場所が足りない事です。つまり、アゴの成長不足によるものがほとんどです。
歯並びはもちろん大切ですが、歯は並びよりも正しく使うことが大切です。正しく使えばアゴが正しく成長し、歯が並ぶ場所があれば歯はきれいに並びます。そして一番大切なのは正しく噛むことで顔が正しく成長することなのです。

当医院では成長期の子供の場合、永久歯は抜きません。歯を抜くと萎縮した顔がもっと萎縮してしまうからです。歯が並ぶのに必要なアゴの大きさに成長することの方が自然だと考えています。

食生活について

顔が成長するためには発育刺激が必要です。それは噛むこと、つまり食事の環境が大切になります。

  • 食事中の姿勢が悪い。
  • 水分を取りながら食べている。
  • 食事の時間(15~30分位)が適正でない。
  • 噛む回数が多くなるような食材選び調理方法をしていない。
  • 小さく切ってしまって前歯で噛むような大きなものを食卓に出していない。

この中で思い当たることがあればそれを改善することが治療の第一歩です。

悪習慣について

悪習慣について

・口がいつも開いている
・頬づえをつく
・指しゃぶりをしている
・爪や唇をかむ
・舌の姿勢が悪い

このような悪習慣は歯並びや顔の成長に悪影響を与えます。しかし、指摘してもなかなか治らないものです。

強く言いすぎるとかえってひどくなってしまうこともあります。大切なのは自覚なのです。なぜその習慣が良くないのか、しっかり説明をして子供に自覚させることが大切です。またポカンXやタッチスチック、リットレメーターなどの器具を使うと効果的です。

矯正治療には2種類あります

1.バイオセラピー(生物学的機能療法)

歯並びが悪くなった原因を解決する事、つまり食事の環境を改善する事、悪習慣を治す事。そうすることで、生体バランスを整え自分で成長し治すことです。

取り外しができる床装置

2.メカニカルな治療

取り外しができる床装置
固定式装置(マルチブラケット)

矯正治療というと装置を使用したものだけを想像しますが、装置は補助的なものです。大切なのはバイオセラピーだと考えています。

治療期間について

顔の成長の8割が6歳までに行われます。6歳から10歳くらいまでは減速し、10歳から2回目の成長スパートが始まり、14才(女子)、17才(男子)ぐらいで成長は終わります。

顔の発育グラフ

顔の発育グラフ

その年齢の成長に追いつくことが治療だと考えています。床矯正は、患者さまがいかにがんばって装置を入れてネジを巻くかで、治療の進み具合が変わってきます。
しっかりがんばれば早く治療が進みますし、あまりがんばらないとなかなか治療は進みません。まさに主役は患者さまです。したがって、いつまでに治療が終わりますということが言えませんので目標をたててがんばりましょう。

1.~5才から始めた子

6才までに治療を終えて成長が追いつくことが目標です。

2.6~9才から始めた子

10才までに治療を終えるのが目標です。10才は2回目の成長スパートが始まる時期でもあり、上顎の犬歯が生える時期でもあります。この時期までに治れば比較的簡単に治ります。遅くても小学校の間に終われるようにしましょう。

3.10才~14才(女子)、10才~17才(男子)から始めた子

成長が終わる14才(女子)、17才(男子)までに治療を終了し、成長に追いつきましょう。成長の時期が減っていきますので、出来るだけ早く治すことが目標です。この時期に始めた場合は固定式装置を使うケースが多くなります。その場合の治療の目安は2~3年です。

4.14才(女子)、17才(男子)以上から始めた子

14才(女子)、17才(男子)以上から始めた子の成長はすでに終わっています。受験などで忙しくなる前に治療が終われるように目標をたてます。治療の目安は2~3年です。

矯正治療の流れ

STEP.1 正検査と治療方針説明

正検査と治療方針説明

口腔内写真、顔写真、レントゲン写真、歯列模型製作、リットレメーター(口唇圧)、リップデカム(口唇閉鎖力)測定 食生活と悪習慣についての改善

STEP.2 矯正装置の説明

矯正装置の説明

取り外しのできる装置の場合、検査から3週間後に矯正装置が出来上がります。床装置の調整と取扱いについて説明します。

食事の時、歯磨きの時、国語、英語、音楽などしゃべる授業の時は装置ははずします。そのほかの時間はできるだけはめるようにします。寝ているときは必ず装着します。

小学校低学年の子など学校に着けて行かない場合は家に帰ってから装着します。合計14時間以上装着出来れば治療は可能です。この時間を下回ると治療が進まなくなるので注意が必要です。これから装置を使った治療のスタートです。さーがんばろう!

STEP.3 矯正装置の管理(1~3か月ごと)

矯正装置の管理(1~3か月ごと)

床装置の使用状況をお聞きして、治療の進み具合をチェックします。固定式装置の場合はワイヤーやゴムを交換します。虫歯と歯茎のチェックをして、歯石や歯垢をきれいに取ったり、歯ブラシの練習をしたり、フッ素を塗ったりします。

STEP.4 矯正装置の卒業

矯正装置の卒業

歯並びがきれいになるだけではなく、骨が安定する事、きちんと咬めるようになる事、悪い習慣がなくなっている事。つまり歯並びが悪くなった原因が改めれば治療はおしまいです。おめでとう!

STEP.5 12才臼歯が萌出するまで管理

12才臼歯が萌出するまで管理

装置を卒業しても、12才臼歯が萌出完了するまで定期的に虫歯のチェックもしながら生え変わりを管理します。歯並びに何か問題が起これば早めに対処します。

治療費について

矯正と言えば治療費が高いんじゃないの?と心配されるのが普通だと思います。でもご安心ください!一般的な矯正治療に比べて破格的な低料金で矯正治療が行えます(早期であれば10万円くらいで治療可能)。なかなか敷居の高かった矯正治療も、床矯正なら歯並びをきれいにしたいという希望も実現できるのではないでしょうか?

当医院では、矯正カウンセリングを行い、あらかじめかかると思われる治療費についてもできるだけ詳しく説明しております。何ごとにもおおむねの費用の見当がつくことが大事なことですね!

項目 イメージ 価格(税抜)
矯正検査料

検査料

問診、写真撮影(口腔内、顔貌、全身)、レントゲン撮影、歯列模型の型どり、口唇筋力検査、姿勢指導、食事指導など

10,000円
床装置
(ネジつき)

床装置

1装置 60,000円
同一装置新製
(2個目)
1装置 30,000円
床装置
(ネジなし)
1装置 30,000円
ムーシールド

ムーシールド

1装置 40,000円
メタルブラケット

メタルブラケット

1装置 60,000円
セラミックブラケット

セラミックブラケット

1装置 70,000円

ケースにもよりますが、一般的には犬歯が生える前(9~10才まで)に治療を終えた場合は1~4個の装置で治療が可能です。それ以降まで治療が必要な場合は4~6個の装置が必要になります。

どんなに装置が多く必要なケースでも費用が80万~100万もかかることはありません。費用発生も、装置が入った時点なので、いっぺんに10万円以上はかかりません。約10万円から治療がスタートできます。出来るだけ早い時期に治療を始めて、そしてできるだけ早く、少ない装置で治療を終えましょう。

矯正治療症例

矯正治療症例:犬歯が生える前に治療を終えた下顎の乱ぐい歯

治療前

拡大床であごを拡げて、歯が並ぶスペースを作ります。
その後、閉鎖型装置で前歯をワイヤーで挟んで並べました。2つの床装置を使用しました。

矯正治療症例:犬歯が生えた後に治療を始めた下顎の乱ぐい

治療前

拡大床であごを拡げます。その後奥歯を後ろに下げます。

ゴムで手前の奥歯を引っ張ります。そして固定式の装置を装着しました。

矯正治療症例:犬歯が生える前に治療を終えた上顎の乱ぐい歯

治療前

拡大床であごを広げて歯が並ぶスペースを作ります。
その後、閉鎖型装置で前歯をワイヤーで挟んで並べました。2つの床装置を使用しました。

矯正治療症例:犬歯が生えた後に治療を始めた上顎の乱ぐい歯

治療前

拡大床であごを広げます。その後奥歯を後ろに下げて犬歯が並ぶスペースを作ります。

マルチブラケットで並べました。 3つの床装置を使用しました。

矯正治療症例:上顎の出っ歯

治療前

拡大床であごを広げて前歯を内側へ入れました。1つの装置で治療できました。

矯正治療症例:受け口

治療前

拡大床で前歯を押し出しました。1つの装置で治療できました。